やれたかも委員会「1」〜あの娘との夜を思い出す
ネットで話題になった「やれたかも委員会」がKindle Unlimitedで無料で楽しめる。筆者は男友達からこの漫画の評判を聞いて、cakesというサイトに掲載されているオンライン版を読んだことがあった。無料で読めるのは「一話のみ」だったが、その独特の雰囲気が面白い。続きを見るために、cakesの有料会員になるのは「悔しい」と思っていたところ、単行本化された本書をKindle Unlimitedで見つけた。早速iPadのKindleアプリに入れて、毎日楽しみにしながら、読み進めた。
男なら誰しも体験する「やれたかも」
この漫画は一話ごとで「完結」するフォーマットとなっている。各話では、「やれたかも」しれない思い出を持つ男性、時には女性が「やれたかも委員会」に「あの時、僕(私)はやれたのでしょうか?」とやってくる。彼らは、個性的な委員会のメンバー3人に向って、やれたかもしれない夜(または昼)の出来事を私情を交えながら話す。それに対し、委員会はそれぞれ「やれた」「やれたとは言えない」のジャッジを下す。
男なら誰しもが「あの時、やれたかも」とか「あの時、やれたのかな?」と振り返る瞬間がある。僕も(話すのは恥ずかしい事柄だが笑)、例えば、カナダに語学留学へ行った際、ホームステイ先で一緒になり、深夜の湖畔を一緒に散歩した「あの娘」とは「もしかして、やれたのかもな!」と思い出してしまう。
「やれたかも委員会」は、そんな「やれたかも」という感情をテーマにしている。男なら共感しやすいテーマである。また、この単行本のラスト一話では女性の「やれたかも」エピソードが登場する。女の人にも、こうした思い出があるのだ。やれたかも委員会は、もう戻っては来ない「やれたかも」な経験を再び思い起こさせてくれる。
「やれた」「やれたとは言えない」を判定する3人の審査員が面白い
エピソードに対して、「やれた」or「やれたとは言えない」と判定を下す3人の審査員が個性的で、面白い。
とりわけ、毎度「やれたとは言えない」の札を掲げる、つまり、厳し目のジャッジな女性審査員「財団法人 ミックステープ代表、月満子」のキャラクターが好きだ。なぜ「やれたとは言えない」のか、ドライな意見を述べてくれる。男の僕としては「女性はそう考えるのかぁ〜」と感心してしまう。まぁやれたかどうかの?の判断をするのに、性差はないかもしれない。とはいえ、安易に「その展開なら、やれたよ!」と言ってしまう「軽い頷き」に対するアンチテーゼとしてフィットしている。
ちょっぴり切なく、ちょっぴり笑える
バイト先の先輩の女性と彼女の部屋で二人っきりになったあの夜。人妻のママさんとなぜだか海へドライブしたあの日。ホテルに行こうにも満室ばかりだった深夜3時。
こうしたエピソードに自分を照らし合わせる。そして、自らにも起こった「やれたかもしれない」瞬間を思い出す。漫画「 やれたかも委員会」はちょっぴり切なく、ちょっぴり笑える作品です。面白い。
- 作者: 吉田貴司
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2017/06/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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